幻想素描集Ⅰ – 閉鎖病棟にて

私の絵は、基本的にA4のコピー用紙に0.5mmのシャープペンシルで下書き(素描)を描き、スキャナーでパソコンに取り込んでから、クリップスタジオペイントで彩色して仕上げています。
今回から、そんな素描たちを「幻想素描集」と題してまとめていくことにしました。
第一弾としてお届けするのは、昨年の暮れから今年の2月頃まで、精神科病院に保護入院していた時期に描いた作品たちです。保護室の中、クリアファイルを下敷きにして、ベッドの上でコツコツと描いていました。
できるだけ古い順に並べましたが、記憶違いで前後している可能性もあります。その点はご了承ください。

西岡兄妹に影響されて。彼らの漫画の中には、私の琴線に触れるシチュエーションが多くあるのです。このときは、ちょうど”地獄”を読んだところでした。
”双生児”の素描。半日くらいかけて一気に描きました。西岡兄妹の”ソーセージになった男の話”を読んで、たまらなく描きたくなったので。私の絵のインスピレーション元は、その半分近くが西岡兄妹です。
奴等は、ぼくをを通じて、自分の幹から一本の枝を天空に向かって延ばしたいという愚かな考えしか持っていなかった。
心の悲しみ。醜い内臓は、己の本質の象徴である。
いろいろな少年たち。多様性の宝庫。
手芸ワゴン。
そんなふうにしても、糸電話は聞こえませんよ。
神は死んだ。いやほんと。
翳りのある少年が好きです。
左下にいるのは、私の中のアダムとイブです。イブ(メデューサ)が、アダムの首根っこを掴んで、知恵の実を無理やり食べさせようとしているところ。
上の人形は「ざくろのように割れた下腹」をイメージして描いたもの。左下の少年は、まさに自分の中の”夢の人”の意味合いとマッチしていてお気に入りです。
妊婦の死の悲しみ。
様々好きなように描きました。
左下のトラベルクロックがお気に入りです。右上は餓鬼。
十コママンガを描こうとして挫折したもの。
透明で静かな雰囲気の少年たち。このころには退院の目処が立っていたように思います。ポーズは主に、古内東子さんのアルバム”Strength”の素敵なブックレットを参考にしました。
漁船の氾濫。
ベティちゃんは永遠の名アクトレス。
思いつくままに描いたもの。右下のそれは赤いネオンの風車(になる予定だった)。
内藤ルネさんの自伝『すべてを無くして』を読んでいた頃に描いたものなので、ところどころそれっぽいです。
名刺のデザイン。
SAVE OUR SHIP
夢と現の境界
入院中に描いた最後の素描。退院の三日前くらいまで描いていたと思います。左上は(私の幻想のなかの)不死鳥です。左下はピエロ。右上の少年はアンニュイな感じがお気に入りです。
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