Miscellaneous arts of Masamune KitanoⅡ

偽りの安息
Cowboy Dreamin’
Completed on 27.05.2025
https://masamunekitano.lsv.jp/characters/lowny-alone/
解説
安息の泉。まるで温かい胎内に満たされた羊水のような、その静かな流れに身を委ねる少年。彼はいつまでもここにその身を任せていたいと願うけれど、それは叶わぬ夢である。一旦胎内回帰出来たとしても、人はやがて太陽の下に産み落とされる運命なのだ。すべての安息は、人が束の間夢見る幻想である。本当のあなたの居場所なんて、あなたを本当に受け容れてくれる居場所なんて、どこにもない。永遠の安息なんて、どこにもないのだ。
あなたが、自分がいつかきっと還るであろう場所を”故郷”と呼ぶようになった時点で、そこにはもう還れない。故郷とは、すでに死に、失われた郷のことを指すのだから。だからこそ、私達は恒久に放浪者(WANDERERS)なのであり、そういった”故郷を失った”という意味での亡失のエモーションを、私なりに表現したのがこの作品である。
英題は松任谷由実のアルバム”Cowgirl Dreamin'”から。
____25,08,22
自殺されちゃった僕
“Dead but dreaming…”
Completed on 04.16.2025
https://www.youtube.com/shorts/s34d3BJ1tyY
解説
自動人形(オートマチック)の殺人鬼の少年。彼はビルの墓場の最深部に追い込まれた末に、自らの右腕を剥ぎ取られ、製造段階で右手に固く溶接されていたその銃で、他殺でありながらも
”自らの手によって殺された”
のである。
人間ならばこの後に亡霊となり、自らの死に気づくことが出来るまでの途方もなく長い時間をビルの墓場で彷徨い続けるであろう。しかし、人形の彼に魂は存在しない。彼は外部の操作によって動き続けるだけの、どこまでも空虚な傀儡であった。
空虚であることの魅力は、期待を裏切られることにある。外形だけで満足するのは下品な人間のやることで、大抵の人はそのものの中まで揃って初めて満足するものだ。カッコイイラジオは性能も伴っているからこそカッコイイし、美人は性格まで伴って初めて美人になる。もちろん中身が必ずしも希望通りとはいかないワケで、アンテナ不良で壊れやすいけれどカッコイイラジオなんてのもあるだろうし、我儘で奔放すぎるけれどやっぱり美人ということもあるだろう。しかしどちらにせよ、結局何らかの中身がなければ成立しない話だ。虚ろは、そうした期待すべてを否定する。それは、この世に存在する中で最も美しい裏切りの形である。そして、それがわかっていてもなお、私は”そうだとしても、それでもきっと、きっとどこかに心があるはずだ”という幻想を彼に抱いてしまう。それが必ず裏切られるとわかっていてもなお、幻想を抱いてしまうのである。この、”かならず裏切られて幻滅する”という”一過性”が、私のエロスを刺激する。それは私にとっては前時代的な、少年に感じるそれに等しいエロスであった。私は、少年にもまた、いつか必ず失われゆくしなやかな肢体、つややかな瞳、無知さと傲慢さと残酷さ、その一過性にこそ美しさを見出すのである。
一過性…つまり、かならず移り変わってゆくこと、そしてその移り変わりの只中に今私がいること…
少年は過渡であり、過渡とは哲学である。
だから私は、そういうことをすべて呑み込んだ上でこの副題を付けた。
”この自動人形の少年は、死んでもまだ、自分が人々を殺し続ける夢を見ているのだ…”と。私が抱かずにはいられないその幻想が必ず裏切られてゆくこと、この裏切りに起因する美しさまでもを含めたうえで、ようやくこの作品はその意味を持ち、ひとつの概念となり、変化を始めるのである。
“In his house at R’lyeh,dead Cthulhu waits dreaming.”
http://mortis.com
_____25,08,22


アレムの街角
灰色の街の孤独な夜
Completed on 06.14.2025
幻想の投身自殺台
4MH713RH23
1,We’re All Alone
2,いとしのエリー
3,Yesterday Once More
4,中央フリーウェイ
5,Without You
6,卒業写真
Hourly chimes
https://www.youtube.com/watch?v=vq9VPulwU2Y
コーヤコーヤの雪
Completed on 06.13.2025
あの頃は この世が荒野だったなんて 思ってもみなかった




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