夜-更-け-の-百-物-語
夜が更けるにつれて、彼はその輪郭をゆっくりと露わにする。
気がつけば部屋の空気はすっかりひんやりとしていて、入れたばかりのはずの焙茶もいつの間にか冷めきっている。デスクの上ではエニグマティク・テレフォンが、青と銀のアルミ筐体を静かな光で満たしている。その姿はどこかクールで、孤独の気配すら漂わせているようだ。
エニグマティク・テレフォン(電気機械式現実幻想変換器)は、Wanderers…言うなれば純粋な幻想の繋ぎ手にしか知覚出来なくなってしまった幻想の信号を現実の信号に変換し、一般の人々が扱えるようにする装置だ。同時に、信号を幻想に再変換することで念写として出力することもできる。言ってみれば、幻想という概念の旅路における入り口であり出口でもある。

About This Site
現実に連れ去られた幻想が、歪んだ懐かしさに引き寄せられて、不思議と集まってくる…。
ここ、幻想館はそんな、異質な空間です。
幻想館が存在するのは、どこかとどこかのあいだに位置する、不自然で、どこか焦燥感や不安感の漂う、過渡期の空間。
過去と未来、現実と幻想が交錯する空間。
ここには、あなたの見知らぬ幻想たちが、時折りふっと思い出したかのように、少しずつやってきます。
私のなかに浮遊するそれらをひとつひとつ、秘密の小さな宝物のように、ひっそりとお気に入りの箱に貯めていく…。
この救いようのない日々を、私はそんな感覚で過ごしています。
そのようにして過ごすことは、普段の生活においてなんの役にも立ちはしないけれど、それでもきっと、ほんのすこしだけ、心がつられて立ち止まるかもしれないのです。
そうしていると、だんだんと時の流れる感覚が麻痺し、永遠にこの静寂を生きているような思いになるのです。
そうすると、私はとても孤独で、どこか懐かしく、切なくなるのです。
そして、この”とき”が、とても美しいものに感じられるのです。
幻想館に集まる幻想はたちは、みな、もとは私の遠い記憶です。それが時を経るうちに、過分に脚色され、美化されたものなのです。
だから、眺めていると、なにかの記憶や感覚が、曖昧に思い出されるのです。
それらは、私にとってはどこか大切で、大人になりかけた今でも、そこから離れられずにいるのです。
みなさまの心のどこかにも、そんな懐かしさやそのイメージがあったとして…。
幻想館にたゆたう幻想のうち、なにかひとつでもそれに共鳴できたならば、きっと嬉しく思います。
THANKS TO
これまでに排泄されてきた膨大な私の死体と、この館に訪れてくれたあなたへ…
The Enormous my Corpses that Have been Excreted so far, And You …

Completed on 17th August 2025

Site Information
正式名称 – 北野正宗幻想館
リンク – https://masamunekitano.lsv.jp/(幻想館へのリンクはご自由にどうぞ。事前事後どちらでもメエル等で報告していただけると喜びます。)
バナア – こちらにご用意しております…
管理人 – 北野正宗(@masamunekitano2007)
メエル – masamunekitano2007@gmail.com(InstagramやPixivのメッセージでもご連絡はいただけますが、諸事情により拝見出来ない可能性が高いので、可能であればメエルでご連絡頂けますと幸いです。)

Symbol Mark

鈴蘭
北野正宗作品のシンボルマーク「鈴蘭」は、二枚の葉が抱き合い、その間から白い釣鐘型の花を咲かせる、キジカクシ科スズラン属の植物です。日本では君影草、谷間の姫百合、真珠梅といった別名のほか、国によってはキリスト昇天の日の花、聖母マリアの花(聖母の涙)とも呼ばれます。清浄や繊細、純潔や純愛といった花言葉のほか、毎年春になると咲くことから「春=幸福の象徴」として、幸福の再来、まだ見ぬ幸福への期待を謳う花言葉も多く、私の抱く”愚かしい(人間らしい)幻想”の象徴として描き上げたものです。また、私の誕生月、5月の誕生花でもあるほか、他の高い葉の影に寄り添うようにひっそりと隠れている一方で、その見た目とは裏腹に強い毒性も持ち合わせていることから、まだ幼い頃の、”臆病でありながら、何も知らないがゆえの(自他双方への)残酷さを兼ね備えた私”の象徴としての意味合いも持ち合わせています。私が抱き、表現する”幻想”とは、一貫して、私が抱く”幼い頃の私に対するイメージ(と、その記憶)”でもあるのです。
当時の記事はこちら

❏ご来訪ありがとうございます❏

About Masamune Kitano

幻想翻訳者/liminal translator in Japan
北野 正宗(きたの・まさむね)- 2007年5月3日生
Illustlation/Manga/Essay
Software:ClipStudioPaint
女性的流血を内包した男性(男性同性愛者)
masamunekitano2007@gmail.com
不思議な懐かしさに思いを馳せて…。
夢と現の境界に位置する、もう戻らないあの頃を具体化した作品を制作しています
Thinking of a mysterious nostalgia…
I create works that embody those days that will never return, situated on the border between the dream and the present.
決して創造者ではない。元々そこに存在しているものたち、そのあやふやさを私なりの形で翻訳しているだけだ
俱會一處 / 北野正宗的插圖、素描、日記和隨筆 / 焦慮與絕望 / 保護個人尊嚴 / 在虛無主義中尋找生命的激勵
ideology
Ⅰ.生と死、不安/Ⅱ.虚無/Ⅲ.不在の時間/Ⅳ.私という存在の空虚さ/Ⅴ.殺気と経済不況、不安と絶望/Ⅵ.政治の概念性や偏見、暴力に対する個人の尊厳の保護/Ⅶ.ニヒリズムに生命の感動を見出す
Ⅰ.Life and death, insecurity/Ⅱ.emptiness/Ⅲ.absent time/Ⅳ.here, I am not here/Ⅴ.Killing and economic depression, insecurity and despair/Ⅵ.Protection of individual dignity against political conceptuality, prejudice and violence
Ⅶ.Finding the inspiration of life in nihilism
Establishment and updating:25,04,04~25,04,21








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夜の底で時が止まった日記帳。
以前はこの小さな独白室で、朝も春も失せた日々のありとあらゆる混沌を書き綴っていました。現在は使用しておりません。
昔の日記はこちらから
放置されすぎて廃墟と化した広報部(Bluesky)はこちらから
動画保管室(YouTube)はこちらから

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❏管理人についてもっと詳しく❏
制作の仕方
デジタルペインティングソフトを使う人の多くは、最初から最後までデジタルの線と色で作品を仕上げますが、私はほとんどの場合、アナログのシャープペンシル(0.5mm)を使ってA4用紙の片隅に線、細かい陰影、テクスチャーを描いた後、その下書きをスキャンし、ペイントソフトで色付けして仕上げています。 哲学的な故郷のエッセンスを加えるために、風景写真や、2000年代の東方の古い画像資料を合成することもあります。
制作環境
自作のWindowsマシン(かろうじて16GBのRAMだが、10年以上前の旧式のCPUを搭載)、キヤノンの「Lide 400」スキャナー、ワコムの「Cintiq 16」ペンタブレット。 ペイントソフトはClip Studio Peint EX ver. 2.0、音楽を聴くときは「Bose Companion Mark III」スピーカーを使っています。
作品制作から学業、娯楽まで、上記のゴテゴテのブラックボックスを使っています。

お気に入り
▣Favorite Artists
松本竣介/福井爽人/瀧川嘉子/木田金次郎/加藤泉/東山魁夷/イサム・ノグチ/白江正夫/岩橋英遠/相原求一朗/荻須高徳/ウィリアム・ターナー/曽谷朝絵/ルネ・マグリット/安田侃/甲秀樹/岡本太郎/神田日勝/渋井一夫/国松登/やなせたかし/ペーター佐藤/エドヴァルド・ムンク
▣Favorite Illustrators
ZUN/竹本泉/壱
▣Favorite Aesthetics/Internet Culture
Surrealism/LiminalSpace/Webcore/Weirdcore/Dreamcore/Y2K Futurism/Voidpunk/Heroin Chic/Stripcore/FrutigerAero
▣Favorite music genre
Gamemusic/Vaporwave/City pop/NewAge/Jazz Fusion/Lovesong/Traditional
▣Favorite Musicians
ZUN/C418/古内東子/松任谷由実/植松伸夫
▣Favorite authors (sometimes morbidly read)
中村うさぎ/衛慧/ヘルマン・ヘッセ
▣Favorite Cartoonist (I don’t read much)
西岡兄妹/丸尾末広/宮西計三/宮谷一彦/さくらももこ/藤子・F・不二雄
▣Novel (rarely)
▣Games
I want to do them but I can’t(mental health issues). If I had to say, I’d say CHILLER or Andy’s Apple Farm.
▣Movies, dramas, animations (none)
▣Others
二階堂酒造のコマーシャル/8cmCD













管理人の行き当たりばったり人生/Biography
____Chronology
2007年 北海道函館にて堕獄。もとい生誕。
2022年以前 作りたいものを片っ端からいろいろ作っていた。粘土工作、木工、漫画、たくさん試しているうちに絵を描くことに落ち着き、自分で水彩画を描き始める。絵画教室に通っていたこともあった。
2023年 デジタル環境でイラストを描き始める。右も左もわからずにPixivSketchを使用。このころはまだ東方Projectなどのファンアートを描いていた。
高等専門学校に進学。学生寮にて生活を始める。
それから暫くは格安のタブレットでIbisPaintを使っていたが、限界を感じて途中からWindowsとClipStudioPaintに移行。
2024年 オリジナルイラストを本格的に描き始め、最終的にほぼオリジナル専門職人になる。でも、相変わらず東方(原作)は大好き。
身体、精神共に限界に達してしまい、精神病院(閉鎖病棟)に入院。高等専門学校を休学し、後に退学。孤独な療養の日々。最初は保護室だったものの、なんとか回復したため後に一般病室に移動。入院したまま。初めて家以外の場所で年越しを迎える。
2025年 2月に退院し、自分のペースで作品を作り始める。通信制高校に編入。相変わらず療養中。

管理人の気まぐれ日記帳/Diary
管理人の気まぐれ日記帳(Masamune Kitano’s Diary)につきましては、この度のサーバー移行作業に伴い、管理の継続が困難となったため閉鎖致しました。短い間でしたが、ご愛読いただき本当にありがとうございました。
閉鎖につき、全ての日記を図書室(Library)に移植致しました。こちらからご覧いただけます(25,08,18)。
Closed. Thank you for your patronage(23,12,31~24,02,09/24,11,27~25,02,27).

すべてがまるで最初からそうだったかのように進み、すべての瞬間が時の中に消えていく。こんな日常の中でも、少しでも心が動いたのなら…
ときどき、本当にときどき更新しています。幻想館のもっとも奥に隠された、管理人の秘密の場所です。
よかったら、ここから遊びに来てね。



