かつて法による規制が緩やかだったころ、そこには多種多様で自由奔放な潮流が息づいていた。
その後、時代の流れとともにそれらは大きく削ぎ落とされてしまい、法による規制を恨む人も少なくないだろう。けれど、僕はその存在を否定する気にはなれない。
何故なら、私だって現在のコンプライアンスに窮屈さを感じることは多々あるけれど、それを鑑みてもなお、山と谷を繰り返しながらも、今という時代こそが、多くの人々にとってもっとも生きやすい環境を備えていると思うからだ。僕自身、70年代から90年代にかけてのアングラ文化が大好きだが、だからといってその時代に生まれたかったとは思わない。やはり、今がいちばん良い。そしてきっと未来は、さらに良いものになるだろう。
だからこそ、この流れの中で、ほんの少しでも多くの人が――たとえ少数であっても――生きやすさを実感できる時代になってほしいと願っている。