Miscellaneous arts of Masamune Kitano Ⅺ

忘れられた肖像

明日になれば、あなたのことは、もう思い出さないでしょう

私にとって、あなたにとって、幸せになるために____


さよなら、私の恋人よ

「私を忘れてから もうどれくらいがたちますか」

1枚の写真すら残らなかった みじかい恋の果て

彼の優しい顔と ゆるいカールをえがいた髪が好きでした

いつしか思い出を捨て去って あのころの生き方を忘れたあなた

わたしはあれから いろんな人を傷つけて

それなのに思い出すら捨て去れず ここまで過ごしてきてしまった

あなたよ 愛しいあなたよ

今だけでいいから 電話のメロディで私を呼んで

さまよう乾いた日々をなぐさめて

そんな一言すら云えぬまま 私はきょうも 夜の帳につぶされる

なんとか突き出し曲がったこの片手で くるしい思い出の中に焼き付けられた あなたの肖像を描きながら


きれいなあなたの 後ろにすわって

わたしの恋は はじまりました

だまってあなたを 愛するだけで

わたしはとても 幸せだった

夢のような 恋のはじめ

忘れはしない 恋の曇り空

はじめて恋を 知った私

あの空の下 ひとりで泣いたの

私とあなたの 夢の交差(クロス)が

恋するたびに はなれていった

私だけの 夢の続き

白き灰すら散った 恋の曇り空

淋しいとき むなしいとき

いつもあなたは 私を責めるの

怒り凍えた あなたでいいから

一度でいいから 抱きしめて消えたい

二度とあえない 心の故郷

ありがとう私の 恋の曇り空

________26,06,04


この制作は、これまでの私にとって最も切実な、生死をかけた制作だと断言できる。
だからこそ、こんなにも胸が苦しいのだ。
だからこそ、ペンを持ったこの右手が、根本からぽっきり折れたかのように引きずられるのだ。