summer 2026

____A tear fell, Because…


涙の夏 Summer in Tears

潮風が頬を撫で いつか去りゆくこの家で

分校の鐘が鳴る 少年少女の鐘が鳴る

一人残らず未来を信じ この坂道を駆けてゆく

潮のたぎった海へと駆けて なにも知らぬまま散ってゆく

赤い灯台 白い灯台

わたしは壁に身をもたげ その手は畳にたおれている

指の節が僅かにかたく 指先は悲しくふるえている

それ以上からだを動かせずに なぜかそのまま坐っていた

床板に差し込む青い陽だまり そこに映るは幼き影

背後の部屋の冷蔵庫が いつもより強く唸った気がした

あれだけくやしかった一昨日たちも ここでは不思議と虚ろになって

まだ 何も失っていないはずなのに

まだ 大人になるのはこれからのはずなのに

自分には見えない涙が 何故か頬をつたった気がした

俺の夏 私の夏

君の夏

_____幼き日の自分へ 2026年8月10日の午後 あの館より


涙 の 雫 た ち


In Memoriam – Summer 2025


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